
各出版社から出されている本の情報誌(自社本の宣伝誌)というのがいろいろあって、『波』や『IN★POCKET』などをわりとよく読むのですが、今一番気になっているのがこのエッセイ漫画です。
三匹の愛猫(グーグー、ビー、クロ)との日常をとてもリアルに描いたものですが、あの『綿の国星』や“サバ”シリーズを生んだ著者の猫話が面
白くないはずがありません。
ただ、この三匹がサバ達と違うのは、猫はそのまま猫の姿で描かれていることです。そして、そのまんまの猫の様子が丁寧に追われることによって、いっそう、猫を愛する著者の、猫のための、猫中心生活が暖かみとともに伝わってきます。
三匹の猫は、グーグー、ビー、クロの順番で一匹ずつ大島家の一員になっているので、古参と新参の確執が現在の中心事です。意地悪をしたりされたり、世話をやいたりやかなかったり、餌を取ったりとられたり、一筋縄ではいかぬ
猫の気分や態度はめまぐるしく変わります。我が家にも、気むずかしくて神経質でヤキモチ焼きのミニチュア・ダックスがいるため、猫たちのちょっとした変化にも一喜一憂してしまいます。
著者自身の病状の経過もたいへん気にかかるのですが、今のところ大丈夫なようです。愛する猫が三匹もいれば病気になどなっていられない、という気持ちがよい方向にむかわせているのかもしれません。早く快復されて、ますます楽しくさわがしい猫たちとの生活が続き、できれば描かれてゆくことを願うばかりです。
また、昨年11月に出版された『雑草物語』(角川書店)に収められている、小説『近未来オリンピック』も、この頃きちんと読了した小説のなかで、とても面
白かった短編にまちがいなく入ります。なぜか、小説書きをメインにしていない人の話に惹かれることが多いのですが、これも淡々としたユーモアの漂う、喜劇でもあり悲劇でもある、後に残る作品です。