犬日記2000 秋 その3
|
11月某日 三歳と八ヶ月を過ぎた。 犬は人間の約7倍の速さで時間が流れているという。 そういえば、そんな犬の映画を見たことがあった。 時間や歳のことはよくわからない。 子どものときより留守番はさびしい。 人の言葉とか、生活のリズムとか、 家の中で一番小さくて、わけもわからずよちよちウロウロしていたのが、 でも、今はまだ毎日パワー全開だ。
|
|
11月某日 久しぶりに、日曜日の公園に行った。 昔はよくここに来ていたけれど、 今日はいつもの散歩コースに犬が連なっていて、 でも、公園の中はもっと犬だらけだった。 広場のところどころに、入っては行けない場所ができていた。 早々に公園を後にした。 ふだんよりたくさん歩いたのに、ぜんぜん遊んだ気がしなかった。 あの臭いの強いおやじのことを、ほんの一瞬思い出した。
|
|
11月某日 犬も夢を見るのかな。 何か喋ってるのかな。 威嚇しているような、唸り声のときもあります。 ふうん。じゃあ、いちおう映像として見てるんだよねえ。 おそらく。 どんな映像だか見てみたいね。 もっと、人間には理解不能な、 うむ。どんな夢かみてみたいね。 見ないほうが幸せかもしれませんよ。 そうねえ。どうなんだろ。 あら、退屈そうな顔してこっち睨んでますよ。 くだらんこと言ってないで遊べ、って?
夢ってなに?
|
|
11月某日 休みの日は、散歩に行くと犬だらけだ。 特に日曜日の夕方。池のまわりは釣り人、カップル、ファミリー、 ふだん見かけない犬がたくさんいる。 ちらりと目を向ける奴、立ち止まってじっと見ている奴、 もちろん、相手の出方に関わらず、とにかく逃げる。 そういう日の夜はきまって、ちょっと騒いだはずみに急にもよおし、
|